内向型HSPやHSS型HSPといった言葉を見かけるけど、自分はどのタイプになるんだろう?
こんなお悩みに答えます。
HSP提唱者のアーロン博士によると、HSPは次の3タイプにわかれます。
- 内向型HSP
- 外向型HSP(HSE)
- HSS型HSP
簡単に言うと、内向的か外向的か、刺激探求の要素があるかという違いがあります。
この記事では以下の3点を解説します。
- HSPの分類とその特徴
- HSPのタイプ分けにおける注意点
- すべてのタイプのHSPに必要なこと
この記事を読めば、自分がどのタイプのHSPなのかチェックできますよ。
HSPの分類と特徴
アーロン博士のHSPの分類は以下の通り。
- 内向的なHSP(内向型HSP)
- 外向的なHSP(外向型HSP/HSE)
- HSS型HSP(刺激探求型のHSP)
どのタイプにもHSPに共通する4つの特徴「DOES」がありますが、内向的か外向的か、刺激探求の要素があるかという点で異なります。
外向型HSPとHSS型HSPは、HSPのイメージとは大きく異なり、表面的にはHSPに見えないことがあります。
では、それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。
内向的なHSP(内向型HSP)
HSPの70%が内向的なタイプといわれます。
- 人嫌いではないが、大人数の付き合いよりも少人数の親密な関係を好む
- 見知らぬ人、大きなパーティー、人混みなどの刺激を避ける傾向がある
内向的なHSPが多い理由
「そのほうが刺激を減らせるし、HSPが一番得意なこと:物事を深く受け止める作業をするときに、他人や大勢に囲まれて過ごすよりも、独り、あるいは親友とのほうが、都合がいいからです。」
HSPに内向的な傾向があるのは、個人的な経験を通して刺激過多から身を守ろうとしているからだそうです。
少人数でいるほうが深く考えやすく、小規模な人間関係なら刺激を受けすぎないので、内向的であることは理にかなっているのですね。
私も内向的なタイプ。
飲み会などの大人数での集まりや会話は苦手です。一人ひとりに気を遣うので、ぐったりします。
親しい友人と2人でゆったり話したり、お家でひとりで過ごす方が好きです。
外向的なHSP(外向型HSP/HSE)
HSPの30%が外向的なタイプといわれます。
HSEは「Highly Sensitive Extroversion」の略。
- 交友関係が広い
- 集団や見知らぬ人との交流を楽しむ傾向がある
HSPが外向的になる理由
・温かい家族、あるいは安全な地域に見守られながら、周囲の人びとを警戒の対象ではなく自分を守ってくれる人びとだと認識して育った
・内向的でいることを認められないような家庭で育ったため、明るく活発でいることが求められ、外向性を身に着けざるを得ないというような状況であった
HSPが外向的になる理由として、上記のいずれかの要因があるのではないかと考えられています。
- 外向的で人と接する機会が多いため、刺激過多になりやすい
- 自分の限界以上に外向的に振る舞ってしまうことがある
友達と遊ぶのは好きだけど、長時間一緒にいたり街中をうろうろすると疲れる。
楽しいけど帰宅後はいつもぐったり。予定をつめ込みすぎるときもあるかも。
HSPであると同時に外向的であることは、大変なことがあるかもしれませんね。
HSS型HSP(刺激探求型のHSP)
HSSの気質を備えたHSPのことです。
HSPのなかでも少数派といわれます。
HSSとは
心理学者のマービン・ズッカーマンが提唱した概念。
刺激探求(High Sensation Seeking)という気質のことで、この気質を持つ人を「ひといちばい刺激を探求する人たち(High Sensation Seekers)」と呼ぶ。
変化に富んだ新しく複雑で「強い」刺激と経験を探し求めていて、そのためには身体的、社会的、法的、経済的なリスクを選ぼうとするという特徴がある。
- HSPの洞察力とHSSの衝動をあわせ持つ
- すぐに圧倒され、同時にすぐに飽きるので、刺激の最適レベルの範囲がかなり狭い
- 新しい経験をしたいけど、過剰な刺激を受けたり大きなリスクを冒したりするのは嫌
- もっといろいろなことに手を出したい半面、踏み出すのが怖い
この状況は「アクセルとブレーキを同時に踏んでいる感じ」と表現されることも。
HSPとHSSは正反対の気質に見えますが、HSPでありHSSでもある人がいるということは驚きですよね。
以下の記事では、HSS型HSPについて詳しく解説しています。
「自分もHSS型なのかチェックしたい!」という方は、ぜひご覧ください。
HSS型HSPとは?敏感なのに刺激を求める気質を解説【セルフテストつき】
HSPのタイプ分けの注意点:メリットとデメリット
タイプ分けにはメリットもありますが、デメリットもあります。
ここでは、「自分はどのタイプ?」と考えるときに注意すべきことを紹介します。
メリット
タイプ分けにより、さまざまなタイプの人がいることに気づけます。
人は他の人も自分と同じだと考えがち。
自分とは違う行動をとる人を見ると、その人には何か問題があると考えることがあります。
例えば、外向型のなかには、内向型に対して「ひとりでいて楽しいの?家にいて暇じゃない?」と疑問を抱く人もいます。
こんな風に、自分とは違う人を「変わっている」と思うことがあるわけですね。
タイプの違う人たちがお互いの違いを理解すれば、自分とは単に行動様式が違うだけだとわかり、お互いを尊重できるようになります。
デメリット
特定のタイプに自分が当てはまると気づくと、自らを型に当てはめてしまい、それに縛られる可能性があります。
どんな人でも特定のタイプに100%当てはまることはありません(100%一致させるには、100人いれば100通りのタイプ分けが必要)。
タイプ分けに縛られると、
「私はこのタイプみたいだけど、あのタイプにも当てはまるところがある…。私はいったいどのタイプ?」と混乱してしまいます。
どのタイプでも4つの特徴「DOES」に当てはまればHSPであることに変わりはないので、タイプのことは深く考えすぎないようにしましょう。
実は、HSPのタイプ分けは研究に基づいたものではないそうです。
その意味でも、タイプ分けは参考程度にとどめておいたほうがよさそうですね。
SNSや書籍では「○○型HSP」などの言葉をよく見かけます。例えば「HSS型HSP」は刺激希求性が高いHSP、「内向型HSP」は内向的なHSPを表すようです。
実は、このようなタイプ分けの研究は全く行われていません。こうしたタイプ分けの妥当性も不明です。
血液型診断のようにわかりやすいため、流行るのは納得できますが、研究にもとづくものではない点は留意すべきかもしれません。
すべてのタイプのHSPに必要なこと:ダウンタイムで自分を労わろう!
どのタイプも「過剰に刺激を受けやすい」という特徴があるので、ダウンタイムをもうけて疲れた自分を労わりましょう。
ダウンタイムをもうけると高ぶった神経が落ち着いてリラックスできますよ。
自分らしくいきいきと過ごすためにも、積極的にダウンタイムを取り入れてくださいね。
ダウンタイムについては、以下の記事で詳しく紹介しています。