HSS型HSPってなんだろう?自分もHSS型なのかチェックしたいな。
こんなお悩みに答えます。
最近、ネットやSNSで「HSS型HSP」という言葉をよく見るようになりましたよね。
HSP提唱者のアーロン博士によると、
HSPのなかには一見するとHSPっぽくないHSS型HSPの人たちがいるそうです。
HSPとHSS(刺激探求)の2つの気質をあわせ持ったタイプで、かなりの少数派です。
この記事では以下の4点を解説します。
- HSSセルフテスト
- HSS型HSPの特徴
- HSS型HSPが抱えやすい悩み
- HSS型HSPが心がけたいこと
この記事を読めば、自分がHSS型HSPなのかチェックできますよ。
HSS型HSPとは?敏感なのに刺激を求める気質を解説
HSS型HSPとは、HSSの気質を備えたHSPのこと。
HSPのなかでも少数派です。
HSSとは
心理学者のマービン・ズッカーマンが提唱した概念。
刺激探求(High Sensation Seeking)という気質のことで、この気質を持つ人を「ひといちばい刺激を探求する人たち(High Sensation Seekers)」と呼ぶ。
変化に富んだ新しく複雑で「強い」刺激と経験を探し求めていて、そのためには身体的、社会的、法的、経済的なリスクを選ぼうとするという特徴がある。
退屈しやすく、新しいことにどんどん挑戦しようとリスクを選ぶ様子は、HSP(ひといちばい敏感な人)とは正反対に見えますよね。
HSPでありHSSでもある人がいるなんて、びっくり!
この章では以下の3つを解説します。
- HSSセルフテスト
- HSS型HSPの特徴:HSPとの違い
- HSS型とHSPの違いはどこから生じる?
では、ひとつずつみていきましょう。
HSSセルフテスト
ではさっそく、あなたにもHSS(刺激探求)の気質があるかチェックしてみましょう!
感じたままに、少しでも当てはまるなら「はい」、あまり当てはまらない、全く当てはまらないなら、「いいえ」と回答してください。
①安全なら、変わった新しい体験のできる薬を飲んでみたい
②会話が退屈で、苦痛になることがある
③行ったことのあるお気に入りの場所より、気に入らないかもしれないけど、新しい場所に行きたい
④スキーやロッククライミングやサーフィンなど、スリルを感じるスポーツをしてみたい
⑤ずっと家にいると息が詰まる
⑥何もせずにただ待つのは嫌いだ
⑦同じ映画を2回以上見ることは滅多にない
⑧「初めての出来事」を楽しみたい
⑨珍しいものがあれば、わざわざ確かめに行く
⑩毎日、同じ人と一緒だと退屈する
⑪友達に、何をしたいのか予測不可能だと言われる
⑫新しい分野を探求するのが好き
⑬型にはまった毎日にならないようにしている
⑭強烈な体験をさせてくれる芸術に惹かれる
⑮テンションを上げてくれるものが好き
⑯何をするか読めない友達が好きだ
⑰新しい変わった場所に行くのが楽しみである
⑱旅行にお金を使うなら、知らない外国のほうがいい
⑲探検家になってみたい
⑳みんなが苦笑するような下ネタギャグや発言でも、結構楽しめる
女性なら、11個以上当てはまれば刺激探求型、7つ以下なら刺激探求型ではないといえます。8~10個ならば、一部刺激探求型のところがあるでしょう。
男性なら、13個以上当てはまれば刺激探求型、9個以下なら刺激探求型ではないといえます。10~12個ならば、一部刺激探求型のところがあるでしょう。
いかがでしたか?
このテストの基準を満たしており、HSPの4つの特徴にも当てはまっていれば、あなたもHSS型HSPであるといえると思います。
※HSPの4つの特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。
HSPに共通する4つの特徴「DOES」:該当しないとHSPじゃない!?
HSS型HSPの特徴:HSPとの違い
HSPとHSS型HSPの違いを簡単に言うと、「刺激を求めてリスクを選択するか」という点です。
ほとんどのHSS型HSPは新しいことを安全に楽しんでいますが、リスクも選び得ます。
新しい刺激や経験を得るには、結果的にリスクを冒すしかない場合があるからですね。
HSPとHSS型HSPの特徴を比較するとこんな感じ↓
HSPの特徴 | HSS型HSPの特徴 |
・思慮深く、穏やかな生活を送ることに幸せを感じる ・衝動的に行動することはなく、リスクを引き受けない | ・HSPの洞察力とHSSの衝動をあわせ持つ ・すぐに圧倒され、同時にすぐに飽きるので、刺激の最適レベルの範囲がかなり狭い |
HSS型とHSPの違いはどこから生じるの?
人間の脳内には行動活性システムと行動抑制システムがあります。
HSPとHSS型HSPの違いも、この2つのシステムのバランスが関係しているようです。
行動活性システムとは
知覚されたメッセージを受けとり、四肢を動かすよう命令を送る脳の領域とつながっている。
このシステムは、特に新しいものに対して働きかけるように設計されている。
これが稼働すると、好奇心が高まり、大胆で衝動的になる。
行動抑制システムとは
私たちに危険を知らせ、回避を促すシステム。
ある状況に置かれたときに、さまざまな兆候に意識を向け、過去に似た経験がないかを確かめる。その間は活動を停止し、状況を理解するまでは行動せず待機する。
似た経験で怖いものがあった場合は、回避する決断を下す。
HSPとHSS型HSP、それぞれのシステムバランスはこんな感じ↓
HSP | HSS型HSP |
行動活性システムの働きが弱く、行動抑制システムの働きが強い。 →警戒心が高く、慎重。 | 行動活性システムと行動抑制システムの両方の働きが強い。 →好奇心が強く警戒心も強い。大胆だが心配性。 |
HSS型HSPが抱えやすい悩み4つ
HSS型HSPが抱えやすい悩みは以下の4つ。
- 疲れやすい
- 葛藤に苦しむ
- 自分を責めてしまう
- まわりの人から理解されにくい
では、順番にみていきましょう。
疲れやすい
HSS型HSPもHSPであることには変わりないので、「刺激を受けやすい・神経が高ぶりやすい」という特徴があります。
それにも関わらず、新しい刺激や経験を求めて行動してしまうため疲弊します。
疲れやすいのになぜ自分から刺激を求めてしまうのか、理由がわからず苦しんできた方もいるのではないでしょうか。
葛藤に苦しむ
HSS型HSPは、次のような葛藤に苦しむことがあります。
- 新しい経験をしたいけど、過剰な刺激を受けたり大きなリスクを冒したりするのは嫌
- もっと色々なことに手を出したい半面、踏み出すのが怖い
この状況は「アクセルとブレーキを同時に踏んでいる感じ」と表現されることも。
自分を責めてしまう
HSS型HSPは疲弊するとわかっているのに新しい刺激や経験を求めて行動し、後から自分を責めてしまうことがあります。
自分を責めながらも、新しい経験を求めるのをやめられません。
まわりの人から理解されにくい
疲れやすいのに自ら新しい刺激や経験を求めて行動する様子は、まわりの人から理解されにくいかもしれません。
特にHSS型HSPとHSPがペアでいる場合は、同じHSPなのに行動様式が違うので、すれ違いや衝突が生まれることがあります。
HSPはスリルより安心を優先して慣れ親しんだものに心地よさを感じます。
HSS型HSPがHSPに合わせると、刺激が少なくて退屈に感じることもあるでしょう。
HSS型HSPがいきいきと暮らすために心がけたいこと
HSS型HSPの方は、HSPとHSS両方のバランスを上手く保つために、意識的にダウンタイムや休む日をもうけましょう。
- 就寝前にダウンタイムをもうける
- 予定のなかに休む日を組み込んでおく
こんな風にパワー回復の時間をもうけると、無理なく新しい経験を楽しめますよ。
HSSの欲求のままに行動すると体力が持たないし、休むことも大事にしたいね。
ダウンタイムについては、以下の記事をご覧ください。
疲れやすいHSPに必要なダウンタイムとは?【ひとりの時間でパワー回復】
新しい刺激が欲しいけどリスクを冒したくない場合は?
新しい刺激や経験が欲しいというHSSの欲求を満たすのに、必ずしもリスクを冒す必要はありません。
「独立してビジネスを始める!」なんてことをしなくても、旅行で刺激は得られます。
思い切ったことをしなくても、旅行などのイベントでHSSの欲求は満たせます。
HSPの部分が強くでて一歩踏み出せないときは、HSSの部分を活かして思い切ってチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
まとめ:HSS型HSPの気質を理解すれば解決策が見えてくる
HSS型HSPの方は、HSPとHSSの両方の気質があることを前提に、2つの気質を上手にコントロールしましょう。
HSS型HSPはまわりの人から理解されにくく、大変なことも多いと思います。
あなたの一番の理解者は、あなた自身。
HSPとHSSの2つの気質を上手くコントロールして、楽しい毎日を送ってくださいね。
HSPの提唱者であるアーロン博士の著書
アーロン博士の他の著書と比べて、HSS型HSPについての記述が多いです。
※「敏感すぎる私の活かし方」「ひといちばい敏感な子」と比較
主に恋愛について書かれた本ですが、友達や家族との関係にも活かせる内容ですよ。
HSS型HSPについての注意点
日本のHSP研究者によると、HSS型HSPという分類は研究に基づいたものではないそうです。その点には留意してくださいね。
SNSや書籍では「○○型HSP」などの言葉をよく見かけます。例えば「HSS型HSP」は刺激希求性が高いHSP、「内向型HSP」は内向的なHSPを表すようです。実は、このようなタイプ分けの研究は全く行われていません。こうしたタイプ分けの妥当性も不明です。血液型診断のようにわかりやすいため、流行るのは納得できますが、研究にもとづくものではない点は留意すべきかもしれません。