自分がHSPだと気づいたんだけど、まわりの人に伝えても大丈夫かな?
伝える・伝えないの基準があれば知りたい。
こんなお悩みに答えます。
自分がHSPだとわかったとき、まわりの人にHSPのことを伝えるべきか悩みますよね。
HSPであることを伝えたい気持ちがある一方で、「伝えたら相手はどんな反応をするだろう」と不安になる方もいると思います。
実は、HSPであることをまわりの人に伝えるかどうかは、今後の人間関係を左右する重要なこと。
伝える相手を間違えたり、伝え方を間違えたりすれば、新たな人間関係の悩みの種になることもあるのです。
この記事では、次の5点を解説します。
- HSPだとまわりの人に伝えるべき?
- 伝えることで起こる変化
- 伝えるときの注意点
- 伝えるかどうかの基準
- 上手な伝え方のポイント
伝える相手を見極めて上手に伝えることができれば、その人たちの理解やサポートによって、もっと自分らしく生きていけるようになりますよ。
HSPだとまわりの人に伝えるべき?
HSPの方の中には、長年、「自分はどこか他の人と違う…」と悩んできた方が多いのではないでしょうか。
そして自分がHSPだと気づいたとき、その喜びから「私、HSPだったの!」と誰かに話したくなった方もいるはず。
HSPだと友達や恋人に伝えてみたいけど、わかってもらえなかったらどうしよう…
そもそも、HSPだと伝えるべきなのかな…?
一般論として、まわりの人が
- あなたがHSPであること
- HSPであるとはどういうことなのか
を知ってくれている方が良いと思います。
では、HSPだとまわりの人に伝えることで、どのような変化が起こるのでしょうか?
伝えることで起こる変化
HSPだとまわりの人に伝えた場合、良い変化が起こることもあれば、悪い変化が起こることもあります。
ここでは、職場の例で説明します。
上司や同僚が理解を示して、仕事に集中しやすいように工夫することを許可してもらえるなど、働きやすくなる。
上司や同僚に、仕事の負担を減らして欲しいからそんなことを言うのだと誤解される。
HSPのことをよく理解してもらえず、よそよそしい態度をとられるようになるなど、働きづらくなる。
残念ながら、伝えた相手が歩み寄ってくれるとは限りません。
伝えたことで相手との関係性が悪くなることもあるのです。
HSPだと伝えることは、今後の人間関係に影響するんだね。
伝える前に知っておくべき注意点
上述のように、まわりの人にHSPだと伝えたとしても、理解してもらえるとは限りません。
まわりの人にHSPだと伝えたことで、自分が傷つく結果になることもあります。
注意すべき点をあらかじめ押さえておきましょう。
注意点は次の3つ。
- HSPに否定的な人もいる
- HSPと非HSPの感覚はずいぶん違う
- 相手のことを理解しようとする姿勢は人それぞれ
では、順番にみていきましょう。
HSPに否定的な人もいる
HSPがメディアで紹介されるとき、ネガティブな面が強調されることが多いですよね。
それゆえHSPに対して、『甘えだ/メンタルが弱い/神経質で面倒くさい人』と誤ったイメージを持つ人もいます。
悲しいね…
HSPだと伝えたときに、そんな誤ったイメージを持たれる可能性があるのです。
HSPと非HSPの感覚はずいぶん違う
HSPの自分にとって当たり前の感覚が、相手には「ない」ということがあります。
自分にない感覚を理解するのは難しく、人は自分の基準で判断をしてしまいがちです。
『HSPなんて本当にいるの?』と思っている人もいるくらいです。
HSPと非HSPには大きな感覚の違いがある、ということを押さえておきましょう。
相手のことを理解しようという姿勢は人それぞれ
HSPには、相手と誠実に向き合って、相手の話にきちんと耳を傾ける良心的な方が多い感じがします。
悩んでいる人がいれば、持ち前の共感力で相手に優しく寄り添っているのではないでしょうか。
しかし、世の中そんな優しい人ばかりではないんですよね…
相手の話を聴こう、理解しようという姿勢は人によって大きく異なります。
『扱いづらい人』っていう誤ったレッテルを貼られないように、伝える相手を選んで、HSPのことを正確に伝える必要がありそうだね。
そうなんです。
今から、HSPだと伝えるかどうかの基準や、HSPのことを上手に伝えるポイントをお伝えしていきます。
HSPだと伝えるかどうかの基準
HSPだと伝えることには、上述のような注意点があります。
まわりの人との関係がギクシャクする可能性もあるので、HSPだと伝えるかどうかは慎重に判断しなければなりません。
そこで、参考にしていただきたいのが以下の基準です。
HSPだと伝えるのは、家族や親しい友達、パートナーなど、「この人なら伝えても大丈夫そう」と思える相手を選びましょう。
自分のことを大切に想ってくれている人を選ぶと安心ですね。
反対に、伝えない方がいい人っている?
伝えない方がいい人
・普段から人の話に耳を傾けない人
話の途中で遮られたり話題を変えられたりすると、伝えたいことを伝えきれず、HSPを正しく理解してもらえません。
・自分の考えや価値観を押しつける人
なんでも自分の基準で判断して、自分と違う人を『甘え/わがまま』と決めつける人がいますよね。
理解しようとせず『自分を変える努力をしたら?』と冷たく突き放される可能性があります。
・口が軽く何でも人に話してしまう人
『あの人〇〇みたいよ!』と、誤った認識を広められる危険があります。
誤解を解くために否定してまわるのも大変ですし、周囲の人と気まずくなってしまうかもしれません。
職場にこういう人いるな…
HSPだってことは、本当に信頼できる人にしか伝えない方がよさそうだね。
あなたの本音を大切にして、「伝えるかどうか/誰に伝えるか」を決めてくださいね。
上手な伝え方のポイント
信頼できる相手であっても、HSPであることを伝えるのは勇気がいりますよね。
ここでは、あなたのことを正しく理解してもらうための上手な伝え方を紹介します。
ポイントは次の2点です。
- HSPについての客観的な情報を多めに伝える
- 苦手なことや要望などをできるだけ具体的に伝える
では、ひとつずつみていきましょう。
ポイント①:HSPについての客観的な情報を多めに伝える
HSPだと伝えるときは、相手にHSPについての客観的な情報を多めに伝えることが大切です。
HSPは世間的にはまだまだ知られていないので、「私HSPなんだ」と言っただけで通じる相手はほぼいません。
HSPのことをよく知らない相手に「HSP」という言葉を使うと、その人の勝手なイメージで「HSP」を解釈される可能性があります。
それを避けるためにも、客観的な情報の提供が必要です。
客観的な情報の一例
・HSPは心理学上の概念
HSP=「敏感で感受性が非常に高い人」
・HSPは気質。病気や障害ではない
生まれつき「敏感・感受性が非常に高い」といった特徴がある
「治す/治せる」ものではない
・DOESと呼ばれる4つの特徴がある
D:深く処理する、O:過剰に刺激を受けやすい、E:全体的に感情の反応が強く、特に共感力が高い、S:ささいな刺激を察知する
・良い環境からも悪い環境からも影響を受けやすい
良い環境下ではその利益を受け取りやすいという「強み」がある
こちらの記事では、HSPの特徴を詳しく解説しています。
上手く説明する自信がない方は、伝えたい相手に読んでもらってもいいかもしれません。
ポイント②:苦手なことや要望などをできるだけ具体的に伝える
上記の①に加えて、苦手なことや要望などをできるだけ具体的に相手に伝えるようにしましょう。
- 「人混みは疲れるから苦手」
- 「大きい音やまぶしい光が苦手」
- 「ひとりでゆっくり休む時間が必要」
- 「疲れやすいから途中で休憩したい」
- 【職場で】「人に見られると緊張するので、終わったら声をかけます。それまでひとりで作業してもいいですか?」
「〇〇だから、こうしたい/こうして欲しい」ということを具体的に伝えると、相手に配慮してもらいやすくなります。
特に要望がない場合は、「何かして欲しいわけじゃなくて、ただ知ってほしいんだ」と伝えればOK。
HSPに対する否定的な声もあるから、「HSP」という言葉はあまり使いたくないんだよなぁ…
そういう場合はどうすればいい?
「HSP」という言葉を使いたくない場合は?
なかには、「HSP」という言葉を使うことに不安や抵抗がある方もいると思います。
そんなときは、「HSP」という言葉を使わなくても大丈夫。
自分の苦手なことや要望を伝えるのに、必ずしも「HSP」という言葉を使う必要はありません。
なぜなら、伝えることの最終的な目的は
- 「○○だから、こうしたい/こうして欲しい」
- 「自分にはこういう特徴があるということを知ってほしい」
ということが多いからです。
「HSP」という言葉を使わない場合は、上述のポイント②の 苦手なことや要望などをできるだけ具体的に相手に伝えるということを意識しましょう。
HSPのことを理解してもらえなかったときにやってはいけないこと
残念ながら、信頼できる相手を選んで上手く伝えたつもりでも、わかってもらえないことがあります。
私も夫になかなか理解してもらえませんでした…
『わからない』と言われたら、自分を全否定されたようで悲しいですよね。
そんなときに陥りがちな傾向がこちら。
- 自分で自分を否定する
- HSPを武器にして、自分の要望を相手に強制する
ひとつずつみていきましょう。
自分で自分を否定する
「わからない」と言われたとしても、自分で自分を否定しないようにしましょう。
もしかしたら、
相手にはあなたが持っている感覚が「ない」のかもしれないし、あなたほどの理解力がないのかもしれません。
HSPは共感力が高いので、自然と相手の気持ちや要望を受け入れていることが多いと思います。
しかし、相手もそうだとは限りません。
あなたの感覚で相手の理解度や受け入れ度を測ってしまうと、苦しくなってしまいます。
感覚は人それぞれ。
相手があなたを大切に思っていても、あなたの感覚や気持ちを理解する術をもっていなければ「わかりたくてもわからない」のです。
大切な人のことでも、わからないことはあるんだね。
HSPを武器にして相手に自分の要望を強制する
自分の要望が相手に受け入れられなかったとき、「私はHSPだから!」とHSPを武器にしないようにしましょう。
なぜなら、
あなたにあわせることで相手が不都合を感じる場合もあり、HSPを武器に押し切られると、相手は不満をつのらせてしまうからですね。
自分の要望を受け入れてもらえたらベストですが、相手には相手のニーズがあるということも心に留めておきましょう。
HSPが大きいと感じる音やまぶしいと感じる明るさも、相手にとってはちょうどいいのかもしれないもんね。
また、あなた自身が今まで意識してこなかった本音に気づいたときに、それを伝えられた相手がどう感じるかも想像してみましょう。
たとえば、
- 「もっと一人の時間が欲しい」
- 「にぎやかな場所には行きたくない。すごく疲れるし、本当はそれほど楽しくなかった。」
それを伝えられた相手は、『今までは何も言わなかったのに…』と困惑したり、寂しさを感じたりするかもしれません。
相手を傷つけないように、伝え方を工夫した方がいいよね。
ときには自分が折れないといけないこともあると思います。
そんなときでも快適に過ごせるように、自分にできる工夫や対策法をたくさん身に着けておくといいですよ。
私は夫と暮らしていますが、音が気になって休めないときは耳栓をしたり、夫が寝室の電気をつけているときはアイマスクをして寝たりしています。
以下の記事では、職場や家庭で快適に過ごすための対策を紹介しています。
よかったら参考にしてみてください。
【五感別】HSPの刺激対策:今日からできる予防とケアでストレス軽減
まとめ
この記事では、HSPであることをまわりの人に伝えるべきかどうかを解説しました。
HSPだと伝えることにはリスクもあるので、あなたの本音を大切して、伝えるかどうかを決めてくださいね。
伝えるか迷う場合は、流れに任せるのも一つの手段。
自然とHSPの話をする機会が訪れるかもしれません。
また、HSPの気質と上手に付き合っていけるようになると
- HSPのことを伝えたい
- HSPのことをわかって欲しい
という気持ちも、だんだん薄れてきますよ。
なるほど。HSPだと伝えるかどうか、焦らずじっくり考えてみようっと。
もし、HSPだと伝えたことで、相手があなたのことを否定したり拒絶したりするのであれば、人間関係を見直す良いきっかけかもしれません。
そのような相手とこれからも一緒にいて幸せかどうか、一度考えてみてくださいね。